飛び違う
とびちがう
動詞-五段-ウ行動詞-自動詞
標準
to flit about
文例 · 用例
それはそれは名状し難い速さで廻っているかと思うと急に花火の開いたようにパッと散乱してそのまた一つ一つの片が廻転しながら縦横に飛び違う。
— 寺田寅彦 『赤』 青空文庫
顔面の他の部分の表現が鼻を中心として飛び違うために、その十字線が丁度鼻の上に結ばって一種の錯覚を起すものである。
— 夢野久作 『鼻の表現』 青空文庫
毒々しい、薄っぺらな色彩のバラック街……眼まぐるしく飛び違う車や人間……血走った生存競争……そんな物凄い刺戟や動揺めきをうけた柔かい少年少女の脳髄は、どれもこれも神経衰弱的に敏感になっている。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫
さっと左右へ飛び違う。
— 国枝史郎 『剣侠受難』 青空文庫
けれども彼は落葉だけ明るい、もの寂びた境内を駆けまわりながら、ありありと硝煙の匂を感じ、飛び違う砲火の閃きを感じた。
— 芥川龍之介 『少年』 青空文庫
――と云う手筈になるところを、飛び違った若侍は、「こっちもこうだあァ――ッ」と浴びせかけ、飛び違う間に抜いた太刀を、ヌ――ッとのすと振り冠った。
— 国枝史郎 『前記天満焼』 青空文庫
あるいは近くあるいは遠く、警鐘の物すごき合奏、早くも駆けつけた消防車のサイレン、提燈の火と共に、群り来る群集、エンジンのうなり声、飛び違う消防手、火の粉の雨、逃げまどう人波、泣き声、わめき声。
— 江戸川乱歩 『吸血鬼』 青空文庫
そして、一寸気を許すと、眩暈の様に、青や赤の風船玉みたいな物が、目の前を、滅多やたらに飛び違う。
— 江戸川乱歩 『魔術師』 青空文庫
作例 · 標準
春の陽気に誘われて、色とりどりの蝶が花畑のあちこちを忙しそうに飛び違っている。
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夕暮れ時の河川敷では、無数のコウモリが餌を求めて複雑な軌道で飛び違う。
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深い森の中では、小鳥たちがさえずりながら枝から枝へと絶え間なく飛び違っていた。
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