緋の衣
ひのころも
名詞
標準
scarlet robe
文例 · 用例
華かな夕暮が來て、空は緋の衣で埋まつた。
— 梶井基次郎 『太郎と街』 青空文庫
朱顔、蓬なる赤毛頭、緋の衣したる山伏の扮装。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
そのわきへ、喜太郎様が、帽子かぶりで、蒼くなって附添った、背後へ持明院の坊様が緋の衣じゃ。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
或る日、唖娘がよねんなく、野原で花びらをつないでをりましたところがいつの間にか自分の傍に、緋の衣装をきた少女が坐つてゐて、をなじやうに花びらをつなぎ始め、をりをりにつこりと、優しく唖娘に笑顔をむけましたが、とう/\いつの間にか二人は仲善しになつてしまひました。
— 童話集 『小熊秀雄全集-14』 青空文庫
その上に、唖娘が野原でお友達になつた緋の衣装をきた少女が、この牡丹園の主であつたのです。
— 童話集 『小熊秀雄全集-14』 青空文庫
」と叫んだ王は夢我夢中でその手をふところに押へて、緋の衣をサツと蹴つたかと見ると、煙のやうな心と動作とで逃げ去つてしまつた。
— 牧野信一 『闘戦勝仏』 青空文庫
大抵は悪紙に描きなぐった泥画であるゆえ、田舎のお大尽や成金やお大名の座敷の床の間を飾るには不向きであるが、悪紙悪墨の中に燦めく奔放無礙の稀有の健腕が金屏風や錦襴表装のピカピカ光った画を睥睨威圧するは、丁度|墨染の麻の衣の禅匠が役者のような緋の衣の坊さんを大喝して三十棒を啗わすようなものである。
— ――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 『淡島椿岳』 青空文庫
会葬者達は、銘々慎しみの心を、表に現わして紫や緋の衣を着た老僧達の、居並ぶ祭壇を一斉に注視しているのであった。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
作例 · 標準
高僧が儀式の際に身にまとう緋の衣は、その鮮やかさで周囲を圧倒する威厳があった。
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夕日に照らされた貴族の緋の衣が、宮中の廊下を優雅に滑るように動いていく。
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歴史ドラマの撮影で、主役の役者が重厚な緋の衣を羽織り、鏡の前で表情を引き締めた。
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