煽
煽
名詞
標準
文例 · 用例
旦那さまだとて金滿家の息子株が藝人たちに煽動られて、無我夢中に浮かれ立つとは事が違ふて心底おもしろく遊んだのではありますまい、いはゞ疳癪抑へ、憂さ晴らしといふやうな譯で、御酒をめし上つたからとて快くお醉ひになるのではなく、いつも蒼ざめた顏を遊ばして、何時も額際に青い筋が顯はれて居りました。
— 樋口一葉 『この子』 青空文庫
あのベートーベンの交響楽や、ショパンの郷愁楽や、シューベルトの可憐な歌謡や、サン・サーンスの雄大な軍隊行進曲やが、いかに情熱の強い魅力で、諸君の感情を煽ぎたてるか。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
田舎政治家の煽動演説におだてられて、中学生的無邪気の感激で跳ね廻るような文学は、何等の叙事詩でもなく叙事詩的なものでもありはしない。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
二等車では、誰も坐っていない座席に向って、煽風機が熱くなって唸っていた。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
彼は煽風機の風下に腰を下した。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
直ぐに帰すからね」 中村は、こう云うと、又煽ぎ立てた。
— 葉山嘉樹 『生爪を剥ぐ』 青空文庫
だれかが、お前を煽動したんだろうな」船長は、方向を転換した。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
それは、藤原が説き奨めたためであっただろうか、あるいは彼が「煽動」したものであっただろうか。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫