竦
竦
名詞
標準
文例 · 用例
さすがの勝治もからだが竦んだ。
— 太宰治 『花火』 青空文庫
」 帽子をすっぽり亀の子|竦みで、「ホイ阿陀仏、へい、あすこにゃ隠居ばかりだと思ったら……」「いいえね、つい一昨日あたり故郷の静岡からおいでなすったんですとさ。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
思わず立ち竦んで四辺を見た。
— 泉鏡花 『眉かくしの霊』 青空文庫
婦人は予を凝視むるやらむ、一種の電気を身体に感じて一際毛穴の弥立てる時、彼は得もいはれぬ声を以て「藪にて見しは此人なり、テモ暖かに寝たる事よ」と呟けるが、まざ/\と聞ゆるにぞ、気も魂も身に添はで、予は一竦に縮みたり。
— 泉鏡花 『妖怪年代記』 青空文庫
寒さは寒し恐しさにがた/\震少しも止まず、遂に東雲まで立竦みつ、四辺のしらむに心を安んじ、圧へたる戸を引開くれば、臥戸には藻脱の殻のみ残りて我も婦人も見えざりけり。
— 泉鏡花 『妖怪年代記』 青空文庫
」 と脇腹へ両肱を、しっかりついて、掻竦むように脊筋を捻る。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
渠はさんざんに苛まれてついに涙ぐみ、身の措き所に窮して、辛くも車の後に竦みたりき。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
朱に染みたるわが手を見つつ、重傷に唸く声を聞ける白糸は、戸口に立ち竦みて、わなわなと顫いぬ。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫