暗涙
あんるい
名詞
標準
silent tears
文例 · 用例
私は昔風な父のあまりに律儀な意地強さにちょっと暗涙を催したのであった。
— 岡本かの子 『東海道五十三次』 青空文庫
慧鶴は憐れな気がして、そっと暗涙を袖で押えた。
— 岡本かの子 『宝永噴火』 青空文庫
」といって、さすがの少年が目に暗涙を湛えて、膝下に、うつぎの花に埋もれて蹲る清い膚と、美しい黒髪とが、わななくのを見た。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
お雪は黒百合の花を捧げて、身に影も添わず、淋しく心細げに彳んでいたが、およそ十歩を隔てて少年が一度振返って見た時、糸をもて操らるるかと二足三足後を追うたが、そのまま素気なく向うを向いてしまったので、力無げに歩を停めた、目には暗涙を湛えたり。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
日出雄少年は暗涙を浮べて『私は本當にお前と別れるのが、悲しいよ、けれど運命だから仕方が無いのだよ、それでねえ、お前が幸に、大佐の叔父さんの家に安着して、萬一にも私共の生命が助かつた事なら、再び、あの景色のよい海岸の砂の上で、面白く遊ぶ事が出來ませう。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
斯う考へると、無限に悲哀くなつて、たゞ茫然と故國の空を望んで、そゞろに暗涙を浮べて居る時、今迄默然と深き考慮に沈んで居つた櫻木大佐は、突然顏を上げた。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
」と清しき御眼に暗涙あり。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
思わず暗涙を催したり。
— 泉鏡花 『化銀杏』 青空文庫
作例 · 標準
私は毎日暗涙について考えている。
暗涙という言葉は日本語で重要だ。
彼は暗涙の意味を理解している。
この文には暗涙が含まれている。