独性
どくせい
名詞
標準
文例 · 用例
書面の要求は初めの手紙と同じ意味へ、返事のないのに焦れた為か、もっと迫った気持の追加が出来て、銀座で接触したのを機縁として、唯むやみにもう一度かの女に会い度いという意慾の単独性が、露骨に現われて来ていた。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
小夜子のところへ雪崩れこんで来るのも、時にはそういった連中の一部であったが、庸三も仲間の人たちと会か何かの崩れに、たまにはそういう新らしい享楽の世界へ入ることはあっても、カクテル一杯を呑むのに骨が折れるくらいなのに、性格的な孤独性と時代の距離があるので、いつも戸惑いしたような感じしかなかった。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
お前とひき蛙とは、それぞれ異つた生活をしてはゐるが、どちらも自尊家で、自尊家につきものの孤独性をもつてゐるところはよく似てゐるやうです。
— 薄田淳介 『若葉の雨』 青空文庫
其子の家持になると、文学によつて、人間の孤独性を知りかけてゐる。
— 折口信夫 『万葉集研究』 青空文庫
この著作には「ユウレカ」と同じく見落され、片隅でしか生息し得ない傑作の孤独性を持つてゐる。
— 坂口安吾 『花田清輝論』 青空文庫
この著作には「ユウレカ」と同じく見落され、片隅でしか生息し得ない傑作の孤独性を持っている。
— 坂口安吾 『花田清輝論』 青空文庫
他のことはともあれ、野口氏の性格にみるこの不可解の孤獨性、それから生ずる人生的熱情を氏に感ずるとき、僕はこの先輩に對して純一の愛慕を感ぜずに居られない。
— 萩原朔太郎 『中央亭騷動事件(實録)』 青空文庫
そこに偶然的とあるは了解しかねるが、特殊的の程度のこととすると、他の事實との關係を考へる必要のないこと、即ち單獨性を指したものと取つて置く。
— 狩野亨吉 『歴史の概念』 青空文庫