雅叙
がじょ
名詞
標準
文例 · 用例
おやじさんのおつき合いで雅叙園、隅田公園へ行った。
— 一九三一年(昭和六年) 『日記』 青空文庫
その外雅叙園でも、杏花楼でも、乃至興華川菜館でも、味覚以外の感覚は、まあ満足させられるよりも、ショックを受けるような所ばかりである。
— 芥川龍之介 『上海游記』 青空文庫
殊に一度波多君が、雅叙園を御馳走してくれた時には、給仕に便所は何処だと訊いたら、料理場の流しへしろと云う。
— 芥川龍之介 『上海游記』 青空文庫
確か雅叙園の局票には、隅に毋忘国恥と、排日の気焔を挙げていたが、此処のには幸いそんな句は見えない。
— 芥川龍之介 『上海游記』 青空文庫
法隆寺は今日では最も幽玄な芸術的遺物であるが、その造られた当初に於ては、俗衆の目を見はらせてアッと感嘆せしめるために、人力の限りをつくして、当時最大の豪奢を狙い、華美をつくしたもので、日光の東照宮の造営精神と異るところはなく、雅叙園の建築精神と異るところもない。
— 坂口安吾 『戦後新人論』 青空文庫
なんでも買え、いつでも映画が見られ、呼リン一つで用の足りるホテル生活――アメリカ映画の様でしたが、一月はじめ、雅叙園に移ってから、ジミーもお金に困るようになりました。
— その一〔判官巷を往く〕 『安吾人生案内』 青空文庫
雅叙園に行ったこともなければ洋楽入の長唄を耳にしたこともない。
— 永井荷風 『西瓜』 青空文庫
一同で目黒の雅叙園、さんざ待った末、あんまりうまくない支那食、たゞ此の家の便所、大の方が六畳敷なのは一驚し、敬意を表してゆっくりやった。
— 昭和十一年 『古川ロッパ昭和日記』 青空文庫