寒牡丹
かんぼたん異読 カンボタン
名詞
標準
tree peony (Paeonia suffruticosa)
文例 · 用例
……先生は、讀賣新聞に、寒牡丹を執筆中であつた。
— 泉鏡太郎 『火の用心の事』 青空文庫
△紅葉秋濤著「寒牡丹」読みかけてやめる。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫
九日――「寒牡丹」読みて夜にはいって読了す。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫
(五月六日)三○東京の牡丹は多く上方から苗が来るので、寒牡丹だけは東京から上方の方へ輸出するのぢやさうな。
— 正岡子規 『病牀六尺』 青空文庫
江戸の方は其角嵐雪の句でも白雄一派の句でも仮令いくらかの美しい処はあるにしても、多少の渋味を加へて居る処はどうしても寒牡丹にでも比較せねばなるまい。
— 正岡子規 『病牀六尺』 青空文庫
暗い寒い静かな明方に、誰れも気づかぬとき、床の間の寒牡丹が崩れ散ったような彼女の死の瞬間が想像され、死顔を見るに堪えなくなって暇を告げた。
— 長谷川時雨 『松井須磨子』 青空文庫
とり分き日本では寒念仏の、臘八坐禅の、夜業の、寒稽古の、砧の、香の、茶の湯の季節、紫の二枚|襲に唐織の帯の落着く季節、梅もどきの、寒菊の、茶の花の、寒牡丹の季節、寺寺の鐘の冴える季節、おお厳粛な一面の裏面に、心憎きまで、物の哀れさを知りぬいた冬よ、楽んで溺れぬ季節、感性と理性との調和した季節。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集』 青空文庫
〔無題〕正月元日、鏡餅の傍に寒牡丹一つ開き、子供等みな健やかに、良人の留守|護る我家は清し。
— 與謝野晶子 『晶子詩篇全集拾遺』 青空文庫
作例 · 標準
雪が降る寒い日にもかかわらず、庭の寒牡丹が凛と咲き誇っていた。
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盆栽展で、見事に手入れされた紅色の寒牡丹が訪れる人々の目を引いていた。
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冬の日本庭園を散策すると、防寒用の藁囲いの中に寒牡丹のつぼみを見つけた。
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