御府内
ごふない
名詞
標準
within the town limits of Edo
文例 · 用例
隅田川本流大川に橋のかかつたのは、萬治三年の兩國橋――最初は大橋、または二洲橋――と名附けられ、對岸の深川、本所は(もとの名、永代島、牛島)とうに御府内に抱へこまれてゐて、橋こそなかつたが、芦や葭の生へた洲ばかりだと思ふと大違ひの賑はしいところであつたのだ。
— 長谷川時雨 『花火と大川端』 青空文庫
怖ろしいことでござんすなあ」「向うが油断すれば、こっちの餌じき、こっちが脱かれば、向うの食いものになるのが、御府内さ――活馬の目を抜くとはうまく言っているな――だから、みじん、隙は見せられねえ。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
今宵は、江戸剣者一同の名誉のため、さんざんな目に逢わせて、御府内に姿を現さぬようにいたしつかわすぞ」 そう、濁った声で、嚇したが、次の瞬間、「えい!
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
その人が、下総の成田山の出張所が、御府内のどこそこにあるということをよく教えて聞かせました。
— 禹門三級の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
いつもならば江戸|御府内を湧立ち返らせる山王大権現の御祭礼さえ今年は諸事御倹約の御触によってまるで火の消えたように淋しく済んでしまうと、それなり世間は一入ひっそり盛夏の炎暑に静まり返った或日の暮近くである。
— 永井荷風 『散柳窓夕栄』 青空文庫
」とよびかけて、「いつ見ましても御府内の御繁昌は豪勢なもので御座いますな。
— 永井荷風 『散柳窓夕栄』 青空文庫
「御府内には随分名高い松の木があるようで御座いますがやはりあの首尾の松に留めを刺しますかな。
— 永井荷風 『散柳窓夕栄』 青空文庫
昨夜ちょっと櫓下の方へ参りましたら、何でも近い中に御府内の岡場所は一ツ残らずお取払いになるとかいう騒ぎで、さすがの辰巳も霜枯れ同様寂れきっておりやした。
— 永井荷風 『散柳窓夕栄』 青空文庫
作例 · 標準
歴史小説の主人公は、御府内の様子を視察するために夜の町を密かに歩き回った。
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当時は御府内に住むことが一つのステータスであり、多くの人々が憧れていた。
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地図を広げて、かつての江戸城を中心とした御府内の広がりを確認してみる。
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