ぴたり
ぴたり
副詞
標準
文例 · 用例
しかもその水車風景は、コンスターブルの油絵で見たものとは遠く、小林清親が水彩画から新工夫をして描き上げた、富士を背景とした静岡竜宝山の水車風景の版画(明治十三年版)の方が、ぴたりと胸に来た。
— 小島烏水 『不尽の高根』 青空文庫
風車がぴたりと停止した時、「ありがとう!
— 太宰治 『作家の手帖』 青空文庫
」 とおっしゃって、孫次郎というあでやかな能面の写真と、雪の小面という可憐な能面の写真と二枚ならべて壁に張りつけて下さったところまでは上出来でございましたが、それから、さらにまた、兄さんのしかめつらの写真をその二枚の能面の写真の間に、ぴたりと張りつけましたので、なんにもならなくなりました。
— 太宰治 『雪の夜の話』 青空文庫
がやがや騒いでいたのに、僕がはいって行ったら、ぴたりと話をやめて、五人の男が一斉に顔を挙げて僕を見た。
— 太宰治 『正義と微笑』 青空文庫
とっさのうちに、ぴたりと適切な言葉を選ぶ。
— 太宰治 『正義と微笑』 青空文庫
」先生は立ち上って隣りの三畳間へ行き、襖をぴたりとしめてしまった。
— 太宰治 『不審庵』 青空文庫
乙の方ではその合図の火影を認めた瞬間にぴたりと水の流出を止めて、そうして器の口に当る区分の文句を読むという寸法である。
— 寺田寅彦 『変った話』 青空文庫
また五分くらいすると不意に思い出したように一陣の風がどうっと吹きつけてしばらくは家鳴り震動する、またぴたりと止む、するとまた雨の音と川瀬のせせらぎとが新たな感覚をもって枕に迫って来る。
— 寺田寅彦 『雨の上高地』 青空文庫