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稲佐

いなさ
名詞
1
標準
文例 · 用例
本軍が安楽寺村に達すると、稲佐村附近の丘陵に拠った薩軍は猛烈に砲撃した。
菊池寛 田原坂合戦 青空文庫
すなはち人知れず稲佐の大文字山に登り行き、只有る山蔭の大岩の下に埋め置きつ。
夢野久作 白くれない 青空文庫
さて其|後、程もなく初花楼の初花太夫が稲佐の浜にて磔刑になるとの噂、高まりければ、流石の鬼畜の道に陥りたるわれも、余りの事に心動きつ。
夢野久作 白くれない 青空文庫
その時、今まで弱げに見えたる初花、磔刑柱の上にて屹度、面を擡げ、小さき唇をキリ/\と噛み、美しく血走りたる眥を輝やかしつゝ乱るゝ黒髪、颯と振り上げて左右を見まはすうち、魂切る如き声を立てゝ何やら叫び出せば、海を囲める数万の群集、俄にピツタリと鳴りを静め、稲佐の岸打つ漣の音。
夢野久作 白くれない 青空文庫
その中にフト稲佐の山奥へ、私の知っている禅宗坊主が居る事を思い出しまして、昨夜の鐘の音は、もしやソイツの寺じゃないか知らんと気が付きました。
夢野久作 近世快人伝 青空文庫
ひょいと頭をあげたら、松山町の上あたり、大体稲佐山の高さぐらいの青空に、一点の赤い火の玉を見た。
永井隆 長崎の鐘 青空文庫
あの湧き上がる青葉に埋まっていた稲佐山は赤ちゃけた岩山と変わっているではないか?
永井隆 長崎の鐘 青空文庫
西のほう稲佐山の上のみがわずかに空をすかせて、三日月が細く鋭く覗いている。
永井隆 長崎の鐘 青空文庫