御灯
ぎょとう
名詞
標準
文例 · 用例
――誰ぞ御灯をかかげい――(村人一人、燈を開く。
— 泉鏡花 『多神教』 青空文庫
「可いやな、見せねえ、見せねえ、一番御灯明を奉ることにしようぜ、待ちねえよ。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
さなきだに梢透きたる樹※を嬲りて夜の嵐の誘へば、はら/\と散る紅葉なんどの空に狂ひて吹き入れられつ、法衣の袖にかゝるもあはれに、又仏前の御灯明の目瞬しつゝ万般のものの黒み渡れるが中に、いと幽なる光を放つも趣きあり。
— 幸田露伴 『二日物語』 青空文庫
ここに御灯りが厶ります」「……※」 差し出した紙燭の光りでちらりとその二人を見眺めた対馬守の声は、おどろきと意外に躍って飛んだ。
— 佐々木味津三 『老中の眼鏡』 青空文庫
此頃は真宗の報恩講、御灯ふかく鐘の声がこもつて、そこには老弱の善男善女が額づいてゐた。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
和尚さんは御灯を仏様にあげると、その前の座についた。
— 新美南吉 『良寛物語 手毬と鉢の子』 青空文庫
主人がこの禿を見た時、第一彼の脳裏に浮んだのはかの家伝来の仏壇に幾世となく飾り付けられたる御灯明皿である。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
「御神前の御灯明をかがやかし、御榊を捧げなさい。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫