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朔北

さくほく
名詞
1
標準
文例 · 用例
※野侯趙破奴は全軍を率いて虜に降り、光禄勲徐自為の朔北に築いた城障もたちまち破壊される。
中島敦 李陵 青空文庫
厚い皮革製の胡服でなければ朔北の冬は凌げないし、肉食でなければ胡地の寒冷に堪えるだけの精力を貯えることができない。
中島敦 李陵 青空文庫
「人を屠りて餓えたる犬を救え」と雲の裡より叫ぶ声が、逆しまに日本海を撼かして満洲の果まで響き渡った時、日人と露人ははっと応えて百里に余る一大|屠場を朔北の野に開いた。
夏目漱石 趣味の遺伝 青空文庫
御承知の通り、金は朔北の女真族から起って中国に侵入し、江北に帝と称すること百余年に及んだのですから、その文学にも見るべきものがある筈ですが、小説方面はあまり振わなかったようです。
続夷堅志・其他 中国怪奇小説集 青空文庫
朔北の曠野を染むる血潮の何万分の一かは、この青年の動脈から迸る時が来るかも知れない。
夏目漱石 草枕 青空文庫
支那文学の真味は、かう云ふ朔北の風景を目にしない江戸時代の日本の漢文学者などには解つてゐなかつたと云ふ気がするのであつた。
附 満蒙の歌 満蒙遊記 青空文庫
朔北の天象と地気とは日本の季節を以て推すことが出来ないのである。
附 満蒙の歌 満蒙遊記 青空文庫
少し白けたコバルト色をして晴れた朔北の空の下に、風も無く、鳴く鳥も無く、しんとして静かな楡の森の広大な墓地は多くの未知の死者が皆今日の心に親しく感ぜられて、此処を立去ることが惜まれた。
附 満蒙の歌 満蒙遊記 青空文庫