カイゼル髭
カイゼルひげ
名詞
標準
handlebar mustache
文例 · 用例
興行場ではカイゼル髭を生した国王が臨席して其の昔の首洗の井戸で印度の苦行僧がサロメのヨカナンを演じていた。
— 吉行エイスケ 『孟買挿話』 青空文庫
おまけに後は君だらう……」 と、S中尉はピンと撥ね上げた、少し貧弱なカイゼル髭を撫でながら、私を見て皮肉に笑ふのです。
— 南部修太郎 『S中尉の話』 青空文庫
金雀児の生垣に挟まれた表現派風の可愛いポーチには、奇妙に大きなカイゼル髭を生した一人の警官が物々しく頑張っていたが、大月が名刺を示して夫人から依頼されている旨を知らせると、急に態度を柔げ、大月の早速の問に対して、岸田直介の急死はこの先の断崖から真逆様に突墜された他殺である事。
— 大阪圭吉 『花束の虫』 青空文庫
私の部下というのは、私とは正反対に風采の頗ぶる立派な、カイゼル髭をピンと跳ね上げた好男子の看護長で、その話ぶりは如何にも知ったか振りらしい気取った軍隊口調であった。
— 夢野久作 『戦場』 青空文庫
」 中村少佐はこう云う間も、カイゼル髭の端をひねっていた。
— 芥川龍之介 『将軍』 青空文庫
それで特使は、あの髭を反対の方向へカイゼル髭にぴーんとひねり上げたものである。
— ――金博士シリーズ・9―― 『地軸作戦』 青空文庫
あのカイゼル髭を生やした高慢ちきなボーイが……?
— 岸田國士 『落葉日記』 青空文庫
先生は鼻の下に髭を生やしてゐたが、是も髮と同じやうに、黒く且つ多く、その黒く且つ多い髭を先生は、カイゼル髭ではないまでも、カイゼル流に末をぴんとひねり上げてゐた。
— 小宮豐隆 『知られざる漱石』 青空文庫