麦笛
むぎぶえ
名詞
標準
wheat-straw whistle
文例 · 用例
麦笛を吹くような声でピーピーと鳴き立ててはベランダの前へ寄って来て、飯の余りやせんべいの欠けらをねだるのである。
— 寺田寅彦 『あひると猿』 青空文庫
子供達が麦畑から黒穂をぬいて、麦笛の平和な音を流してゆくのは、麦畑の緑のうちばかりだ。
— 新美南吉 『良寛物語 手毬と鉢の子』 青空文庫
やがて麦畑の向方から麦笛のやうな汽笛が響き、炭坑のトロツコの如くに汽缶車の向きをあべこべにつけた汽車がのろ/\と這入つて来ると、忽ち彼女は先頭を切つて車から飛び降りた。
— 牧野信一 『熱海線私語』 青空文庫
農家の垣には梨の花と八重桜、畠には豌豆と蚕豆、麦笛を鳴らす音が時々聞こえて、燕が街道を斜めに突っ切るように飛びちがった。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫
町の子のあたしが、笹舟を流すことを知ったのも、麦笛を吹いたのも、夜蒔きの瓜の講釈をきいたのも、田圃へどじょうを突きに行ったのも、根岸の里住居のたまものだった。
— 長谷川時雨 『チンコッきり』 青空文庫
子供がぴいーッと吹く麦笛に、武蔵野の日は永くなる。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
麦笛や四十の恋の合図吹く恋はものの男|甚平女紺しぼり大正五年六月十一日 発行所例会。
— 高浜虚子 『五百句』 青空文庫
作例 · 標準
少年は自分で作った麦笛を吹き、楽しそうに笑った。
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夏祭りの露店で、色とりどりの麦笛が売られていた。
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麦笛の素朴な音色が、田園風景によく似合う。
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