級間
きゅうかん
名詞
標準
文例 · 用例
劃時代的な二つの階級間の闘争が、全市から全日本の相互の階級を総動員して相対峙していたのだ。
— 葉山嘉樹 『生爪を剥ぐ』 青空文庫
産業上の諸階級間の不平、政党各派の紛擾、輿論の神経過敏、経済上の諸調査の専心に行なわれつつあること等はすなわちそれである。
— 河上肇 『貧乏物語』 青空文庫
このことは、民主主義が、階級間の平均化ではないということを、日本の人民が激しい二年間の経験によって理解しはじめたことを意味する。
— 宮本百合子 『プロレタリア文学の存在』 青空文庫
これまでのところ、文学サークルは多種多様の成員をふくみながら全体として文学を通じて民主的な人間成長、勤労者階級間の諸関係についての自覚、つまり感情や意識を民主的労働者として統一的に高めてゆく場所の一つとして、十分の活溌さにまで働きかたを会得させられていない。
— 宮本百合子 『その柵は必要か』 青空文庫
日本の民主主義革命そのものが、労働者階級を中軸として、農民及び市民層、民族資本家までをふくむ共同を必要としている現実は、民主的文学に多様性をもたらすと同時に、互の階級間の生きた諸関係についての理解を、欠くことのできないものにしている。
— 宮本百合子 『その柵は必要か』 青空文庫
民主主義の精神と行動は単に「労働者の方へ行け」と云って満足することではなく、すべての階級のなかへはいってゆき、階級間のあらゆる相互的な関係のなかから、民主革命のモメントをとらえる能力でなければならないだろう。
— 宮本百合子 『その柵は必要か』 青空文庫
すなわち、文学における政治の優位性のあやまった発動を克服するためには、作家一人一人が日本の民主革命の課題と諸階級間の関係をはっきりつかんで、その角度からめいめいの創作を発展させ、他の人によって書かれるおびただしい種類の文学作品を評価してゆく能力をもたなければならないという現実を学んだのであった。
— 宮本百合子 『五〇年代の文学とそこにある問題』 青空文庫
したがって文学の創作方法は、科学の定理のように抽象されることは決してありえないし、それでこそ文学の文学である人間性があるのだけれども、歴史の進行の方向と階級間の関係についてのより客観的な把握は、おのずから文学の創作方法も、個々の作家のテムペラメントにだけ頼るものではなくなってくる。
— 宮本百合子 『五〇年代の文学とそこにある問題』 青空文庫