拿翁
拿翁
名詞
標準
文例 · 用例
拿翁の侵略に遭ひて国亡び、家破れんとするに当りて、従容として、拿翁の玉座に近づき、彼をして言ふ可からざる敬畏の念を抱かしめたるギヨーテが、戦陣に臨みて雑兵の一人となり、尸を原頭に暴らさゞるの故を以て、国民的ならずと罵るものあらば、吾人は其の愚を笑はずんばあらざるなり。
— 北村透谷 『国民と思想』 青空文庫
豪傑英雄は特に至粋のインスピレイションを享る者にてあれど、シイザルはシイザルにて、拿翁は拿翁たるが如く、至粋を享くる量は同じくとも、其英雄たるの質は本然に一任するのみ。
— 北村透谷 『徳川氏時代の平民的理想』 青空文庫
今や往年の拿翁なしと雖、武器の進歩日々に新にして、他の拿翁指呼の中に作り得べし、以て全欧を猛炎に委する事、易々たり。
— 北村透谷 『「平和」発行之辞』 青空文庫
歴山王、拿翁、シイザル、之を英雄と称し豪傑と呼ぶ、英雄は即ち英雄、豪傑は即ち豪傑、然れども胸中の理想に立入りて之を分析すれば、片々たる蝸牛角上の傲児のみ。
— 北村透谷 『想断々(1)』 青空文庫
先に拿翁の蹂躪に遭ひ、今後更に慮るところあり。
— 北村透谷 『想断々(2)』 青空文庫
シイザルの勝利、拿翁の勝利、指を屈すれば幾十年に過ぎず、これも亦た蝴蝶の夢か。
— 北村透谷 『最後の勝利者は誰ぞ』 青空文庫
半世英名絶衆芬、老余凋落没奇勲、拿翁一夢当年跡、空作極南孤島雲。
— 井上円了 『南半球五万哩』 青空文庫
拿翁の一場の夢の当時の跡は、むなしく南の果ての孤島の雲となっているのである。
— 井上円了 『南半球五万哩』 青空文庫