来別
らいべつ
名詞
標準
文例 · 用例
宣伝という文字自身には元来別にそう押しつけがましい意味はなくてもよいように思う。
— 寺田寅彦 『神田を散歩して』 青空文庫
現代の俳句界はジャーナリズムの力を借りることなしには大衆を包括することができないのに、今のジャーナリズムの露骨主義と連句の暗示芸術というものとは本来別世界の産物である。
— 寺田寅彦 『俳諧瑣談』 青空文庫
映画と芝居は元来別物であるから、映画のまねは芝居ではできない。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
両者は元来別物であって各独立したものであるというような説も或る意味から云えば真理ではあるが、近来の日本の文士のごとく根柢のある自信も思慮もなしに道徳は文芸に不必要であるかのごとく主張するのははなはだ世人を迷わせる盲者の盲論と云わなければならない。
— 夏目漱石 『文芸と道徳』 青空文庫
即ち麻布六本木に西国某藩の上屋敷があって、ここに先殿のお部屋様が隠居所として住って居られたが、幾年来別に変った事もなく、怪しい事もなく、邸内無事に暮していた。
— 岡本綺堂 『池袋の怪』 青空文庫
彼女の心は、その時以来別人のやうに荒んだ。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
彼女の心は、その時以来別人のように荒んだ。
— 菊池寛 『真珠夫人』 青空文庫
貫一は彼が意見の父と相容れずして、年来別居せる内情を詳かに知れば、迫めてその喜ぶべきをも、却つてかく憂と為す故を暁れるなり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫