隣々
隣々
名詞
標準
文例 · 用例
馬返しより太郎坊まで、羊歯の小自由国や、蘚苔の小王国を保護して、樅落葉松の純林、戟を揃へて隣々相立てるあり、これありて裾野の柔美式なる色相図に、剛健なる鉄銹色を点し、無敵の冬をも呵して、一路空山|料峭の天に向ひて立つものあるなり。
— ――明治三十六年八月七日御殿場口にて観察―― 『霧の不二、月の不二』 青空文庫
隣村の者でなければ隣々村の者と。
— 黒島傳治 『浮動する地価』 青空文庫
何の家も、何の家も、古びて、穢なくて、壁が落ちて、柱が歪んで、隣々に倒り合つて辛々支へてる樣に見える。
— 石川啄木 『赤痢』 青空文庫