槭
槭
名詞
標準
文例 · 用例
更にくすんだ赭い欅の梢にも微妙な色彩を發揮せしめて、殊に其の間に交つた槭の大樹は此も冴えない梢に日は全力を傾注して驚くべき莊嚴で且つ鮮麗な光を放射せしめた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
時雨の雲に映ずる槭の梢は確然と浮き上つて居ながら天鵞絨の地に深く浸み込んで居る樣にも見えた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
瀧の側に立つて仰いで見ると峭壁の上部からさし出た槭の枝が疾風に吹き撓められるやうに止まずさわ/\と動いて居る。
— 長塚節 『松蟲草』 青空文庫
槭の葉はまだ青いのである。
— 長塚節 『松蟲草』 青空文庫
誰が、例へば百年前に、槭樹や「しなのき」が樹の出生以来□用してゐた推退器の性□を夢想したか?
— 牧野信一 『卓上演説』 青空文庫
槭樹の影の落ちる歩道は八方から集って、緑のたまりのような公園となった。
— 宮本百合子 『赤い貨車』 青空文庫
彼は、水っぽくしなびた婆さんみたいな鼻のある顔で目の前の槭樹の梢を眺めている。
— 宮本百合子 『赤い貨車』 青空文庫
槭樹はいま七月で、葉かげに青塗りの木造飛行機模型のような実の房を一杯つけているのであった。
— 宮本百合子 『赤い貨車』 青空文庫