忘れさす
わすれさす
動詞
標準
文例 · 用例
形式的なものでなくて、真情のこもったもので、いつまでも自分を忘れさすまいとした手紙を書いたのであったから、きっと文学的におもしろいものもあったに違いないが、その時分に筆者はこのいたましい出来事に頭を混乱させていて、それらのことを注意して聞いておかなかったのが残念である。
— 須磨 『源氏物語』 青空文庫
それは倉地のそこにいるのすら忘れさすくらいだった。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
自分だけに向って送ってよこす女の笑顔、自分と女とのほかには侵入者のない部屋、すべてを忘れさす酒、その香い、化粧の香い……そしてそれらのすべてを淫らに包む黄色い夜の燈火。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
それは房一の醜い他の部分を忘れさすに足るものだつた。
— 田畑修一郎 『医師高間房一氏』 青空文庫
最も偉大な詩人はそれを忘れさすことの出來た人達だ。
— 堀辰雄 『レエモン ラジィゲ』 青空文庫
※ 僕はさつき「最も偉大な詩人はそれを書いた年齡を忘れさすことの出來た人達だ。
— 堀辰雄 『レエモン ラジィゲ』 青空文庫
『しかし、それ等の一般の衛生の仕事に貢献してゐる幼虫は、吾々を被害者にする他の食ひしんぼうの事を吾々に忘れさすことは出来ない。
— STORY-BOOK OF SCIENCE 『科学の不思議』 青空文庫
彼は急いで、その悪い言葉を忘れさすために一つの方法を考えついた。
— LES MISERABLES 『レ・ミゼラブル』 青空文庫