密夫
みっぷ
名詞
標準
lover (of a married woman)
文例 · 用例
僕には母を母として愛さなければならん筈です、然し僕は母が僕の父を瀕死の際に捨て、僕を瀕死の父の病床に捨てて、密夫と走ったことを思うと、言うべからざる怨恨の情が起るのです。
— 国木田独歩 『運命論者』 青空文庫
……ところがあいにく、母親が操正しく、これでも密夫の児じゃないそうで、その擽ったがりようこの上なし。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
初めの、僕の計画では、二人の媾曳を、まざまざと兄さんに見せつけてやるつもりだったのだが、僕はあべこべ兄さんに対して密夫らしい要心をしはじめた。
— 渡辺温 『勝敗』 青空文庫
何の密夫の七人ぐらい、疾くに出来ないじゃあなかったが……」 といいかけしがお貞はみずからその言過しを恥じたる色あり。
— 泉鏡花 『化銀杏』 青空文庫
もともと人間がそういうことを拵えたのなら、誰だって同一人間だもの、何|密夫をしても可い、駈落をしても可いと、言出した処で、それが通って、世間がみんなそうなれば、かえって貞女だの、節婦だの、というものが、爪はじきをされようも知れないわ。
— 泉鏡花 『化銀杏』 青空文庫
しかも養母は密夫をひき入れて、商売には碌々に身を入れず、重体の亭主を奥の三畳へなげ込んだままで、誰も看病する者もないという有様であった。
— 岡本綺堂 『魚妖』 青空文庫
前代未聞の密夫の狂言とは、さすがに門左衛門様の御趣向じゃ。
— 菊池寛 『藤十郎の恋』 青空文庫
『あれ見よ、密夫の狂言とは、名ばかりで相も変らぬ藤十郎じゃ』と、云われては、自分の芸は永久に廃れるのだと、彼は心の裡に、覚悟の臍を堅めていた。
— 菊池寛 『藤十郎の恋』 青空文庫
作例 · 標準
彼女は夫の目を盗んで、密夫との逢瀬を楽しんでいた。
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密夫との関係が露見し、家庭は崩壊の危機に瀕した。
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彼は密夫としての立場をわきまえ、決して表舞台には出なかった。
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