白血
はっけつ
名詞
標準
文例 · 用例
卵殻もどきの貴公子の微笑と 遅鈍な子供の白血球とは、 それな獣を怖がらす。
— 亡き児文也の霊に捧ぐ 『在りし日の歌』 青空文庫
親爺の皮膚は、薄黒く、また黄色ッぽく、白血球は、薬のために抵抗力を失って、まるで棺桶に半脚突ッこんだ病人のように気息|奄々としていた。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
人間がある限り、その中に在ってその発展の方向を示し、これを浄化推進して行く羅針盤兼、白血球であります。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
白血球というものは、悪い黴菌が潜入するとき血液内に待受けていて喰い殺す役目を勤める肉体の保護者です。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
事実、腫物などというものは黴菌が体内へ入って来たのを血液内の白血球が食い止めてともに刺し違えて死んだ筋肉上の塚ですから、肉体の他の部分にとっては感謝すべき無名戦士の墓です。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
ここでインターロイキン(インターフェロンをふくむ、免疫細胞や白血球が作る生物活性物質の総称―注・富田)は、その多目的性、曖昧性、冗長性という本性を現わし、はるかに免疫現象を超えてしまうのである。
— 富田倫生 『本の未来』 青空文庫
吾々の全身三十兆の細胞は、かようにして、流れまわっている赤血球、白血球から、固い骨や、毛髪の尖端に到るまでも、吾々が感じている意識の内容をソックリそのままの意識内容を、その一粒一粒|毎に、同時に感じ合って、意識し合っているのだ。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
血沈の検査が済むと、彼は白血球――原子爆弾の影響で白血球が激減してゐる場合もあるから一度診察してもらふ必要は前からあつたのだ――を検べてもらふことになつた。
— 原民喜 『氷花』 青空文庫