杯中
はいちゅう
名詞
標準
文例 · 用例
縱令忘られざらんも、その偶※存ずるは汝が囹圄の桎梏として存じ、汝が性命の杯中に落ちたる毒藥として存ずるならんといふ。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
二十日の後、一杯に水を湛へた盃を右肱の上に載せて剛弓を引くに、狙ひに狂ひの無いのは固より、杯中の水も微動だにしない。
— 中島敦 『名人傳』 青空文庫
二十日の後、いっぱいに水を湛えた盃を右|肱の上に載せて剛弓を引くに、狙いに狂いの無いのはもとより、杯中の水も微動だにしない。
— 中島敦 『名人伝』 青空文庫
巣箱は嚇しのブン/\云ふ声で一杯になり、一杯中味のつまつた倉庫は掠奪に会ふ。
— STORY-BOOK OF SCIENCE 『科学の不思議』 青空文庫
老大觀の歌ふのを見て、ひそかに、杯中に涙をたれた人もあるさうだが、分らない者は、ポカンとして、大觀が寢仆れたのを、風癲病でも見るやうにクス/\笑つてゐたといふ。
— 吉川英治 『折々の記』 青空文庫