朦昧
朦昧
名詞
標準
文例 · 用例
一九 松平信綱の象刑 支那においては、古代絵画に依って刑法を公示し、これに依って文字を知らない朦昧の人民に法禁を知らしめる方法が行われた。
— 穂積陳重 『法窓夜話』 青空文庫
≪雲と羅針とを嘲りわらふ、その朦昧の顔の冷たさ。
— 逸見猶吉 『逸見猶吉詩集』 青空文庫
女を物品扱ひする遺風 朦昧人が女を掠めとつたと云ふ事には、大きな一つの理由があります。
— 伊藤野枝 『嫁泥棒譚』 青空文庫
それは、それ等の朦昧人の部落では、女が高価な財物であるからです。
— 伊藤野枝 『嫁泥棒譚』 青空文庫
しかしそれは決して朦昧人や、野蛮人ばかりではありません。
— 伊藤野枝 『嫁泥棒譚』 青空文庫
朦昧の間では、男が女をゆづり渡して貰ふには、女の両親に、金を払ふと云ふ負担がある為めに、それをのがれる一つの方法として掠めて来るのであります。
— 伊藤野枝 『嫁泥棒譚』 青空文庫
この事実は、私共には甚だ奇怪な事実としか思へませんが、しかし振り返つて、現在の結婚制度に就いて考へて見ますと女に対する根本の観念にはそれ等の朦昧人とは幾許の相違もありません。
— 伊藤野枝 『嫁泥棒譚』 青空文庫
私共の地方での娘の掠奪にしても、女の親への金銭の負担から逃れる為めに掠奪する朦昧人の掠奪といくらの差異がありませう、彼等はたゞ、金銭の負担の代りに、色々な面倒な難題を負ひ切れないので、それをのがれる為めに掠奪するのであります。
— 伊藤野枝 『嫁泥棒譚』 青空文庫