工女
こうじょ
名詞
標準
文例 · 用例
壁隣が機業家なんです、高い山から谷底見れば小万可愛や布|晒すなんぞと、工女の古い処を唄つて居るのを聞きながら、日あたりの可い机の傍で新版を一冊よみました。
— 泉鏡花 『いろ扱ひ』 青空文庫
お京がもしその場に処したら、対手の工女の顔に象棋盤の目を切るかわりに、酢ながら心太を打ちまけたろう。
— 泉鏡花 『縷紅新草』 青空文庫
――(私が傍に見ていました)って、鼻ひしゃげのその頃の工女が、茄子の古漬のような口を開けて、老い年で話すんです。
— 泉鏡花 『縷紅新草』 青空文庫
……冷いようだが、いや、寒いようだが、いや薄情だと言えばそれまでだが、農家で育って、子守をして、工女から北海道へ落ちたって、それほど情ながったり、怨めしがったりする事はなかろうと思う。
— 泉鏡花 『卵塔場の天女』 青空文庫
其と同時に、土方や職人や商人や百姓や工女や教師や吏員や學生や、または小ツぽけな生徒などが、何れも憔た姿、惶々とした樣子で、幻影のやうに霧の中をうごめいて行くのが眼に映る。
— 三島霜川 『解剖室』 青空文庫
隣りの明いた室へ、たまに一晩どまりの客はあるが、工女に募集されて行く途中で、その募集者に自由にされる女であつたり、どこか近所の驛から作男と密會しに來た細君であつたりする。
— 發展 『泡鳴五部作』 青空文庫
彼は忠実なる工女のように、息もつかずに糸を織っていた。
— 岡本綺堂 『二階から』 青空文庫
ドン底に近付いてはトロの後押し、土方の手伝い、ヨイトマケ、紙屑|撰り、工女、掃除女に到るまで、数えて来ると随分ある。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫