打ち寄せる
うちよせる
動詞-一段
標準
to break onto (shore)
文例 · 用例
また絶えず石炭を積み込む荷揚ロープの緩急が打ち寄せる波の音と和して、消燈された甲板のゴルフ棒の蔭で船員と港の土人街の女とが抱擁して別離を悲しんでいる。
— 吉行エイスケ 『孟買挿話』 青空文庫
映画素材から映画を作り上げる編集方法としてのモンタージュはそもそも映画始まって以来行なわれて来たものに相違ないのであるが、しかし初期の映画において、単に海岸に打ち寄せる波の遊びを見せたり、あるいは舞台演芸をそっくりそのまま写してみたりしたような場合にはあまり問題にならない事であった。
— 寺田寅彦 『映画芸術』 青空文庫
妙なものが流れてきてよ」 妹娘もその声に驚き、二人肩と肩とを並べて見ていると、今しも打ち寄せる波にもまれて、足許にコロコロと転んできたのは、一個の真黒なビールの空瓶だ。
— 押川春浪 『南極の怪事』 青空文庫
「おや、こんな物、仕方がないわ」と、姉娘は織指に摘まみあげて、ポンと海中に投げ込んだが、空瓶はふたたび打ち寄せる波にもまれて、すぐまた足許にコロコロと転んできた。
— 押川春浪 『南極の怪事』 青空文庫
つまり、そのような事件は、たしかに夫にとって大いなるショックであっても、しかし、それは「ショック」であって、いつまでも尽きること無く打ち返し打ち寄せる波と違い、権利のある夫の怒りでもってどうにでも処理できるトラブルのように自分には思われたのでした。
— 太宰治 『人間失格』 青空文庫
まだ宵ながら山奥の夜は静寂で、ただ折りおりに峰を渡る山風が大浪の打ち寄せるように聞えるばかりであった。
— 岡本綺堂 『木曽の旅人』 青空文庫
その岩組の陰気な性質が、激しく打ち寄せる波で、一層気味悪く見える。
— A DESCENT INTO THE MAELSTROM 『うづしほ』 青空文庫
打ち寄せる波頭の泡が八方からそれを取巻いてゐる。
— A DESCENT INTO THE MAELSTROM 『うづしほ』 青空文庫
作例 · 標準
例句