退守
たいしゅ
名詞
標準
文例 · 用例
国民のヂニアスは、退守と共に退かず、進歩と共に進まず、その根本の生命と共に、深く且つ牢き基礎を有せり、進歩も若し此れに協はざるものならば進歩にあらず、退守も若し此れに合ざるものならば退守にあらず。
— 北村透谷 『国民と思想』 青空文庫
然れども渠は迷溺するを免かれざりしなるべし、彼の本地は世間の道法に非ず、世間の快楽にあらず、世間の功利にあらず、進取にあらず、退守にあらず、全然一個の腕白むすこたりしなるべく、何物にか迷ひ何物にか溺るゝにあらざれば、遂に一転するの機会は非ざりしなり。
— 北村透谷 『心機妙変を論ず』 青空文庫
……啓介の性格は、より強くてまたより退守的であった。
— 豊島与志雄 『二つの途』 青空文庫
而も、強くて退守的な啓介の心は、深い宗教的な雰囲気に包まれていた。
— 豊島与志雄 『二つの途』 青空文庫
偉大を好む國民は、自ら進みて此の問題を解釋し、國人が發見したる新島嶼を收并するをすら拒絶して、以て退守自ら安ぜんとせる當局を刺激して、日本を廣大ならしむ。
— 竹越三叉 『世界の日本乎、亞細亞の日本乎』 青空文庫
天子守在四夷とか、王者不治夷狄とか、彼等は消極退守を以て、無上の安全策と信じて居る。
— 桑原隲藏 『秦始皇帝』 青空文庫
ゆえにあるいは長蛇の急坂を下るがごとく進撃することあるも、あるいは猛虎の嵎を負うがごとく退守することあるも、勢いその頼みとすべきはただ自家領内の一天地にあり。
— 徳富蘇峰 『将来の日本』 青空文庫
ここに於てか日本は退守的なるを得ない。
— 大隈重信 『三たび東方の平和を論ず』 青空文庫