筆意
ひつい
名詞
標準
brushwork
文例 · 用例
丹塗の柱、花狭間、梁の波の紺青も、金色の竜も色さみしく、昼の月、茅を漏りて、唐戸に蝶の影さす光景、古き土佐絵の画面に似て、しかも名工の筆意に合い、眩ゆからぬが奥床しゅう、そぞろに尊く懐しい。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
同じ筆意にて成れる文字この後にも見えたり、曰く「こは不思議や。
— 北村透谷 『処女の純潔を論ず』 青空文庫
優しい白い杜若、それに姫百合、その床の掛物に払子を描いた、楽書同然の、また悪く筆意を見せて毛を刎ねた上に、「喝。
— 泉鏡花 『雪柳』 青空文庫
隆古には殊に傾倒していたと見えて、隆古の筆意は晩年の作にまで現れていた。
— ――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 『淡島椿岳』 青空文庫
あくまでも真面目に取り澄ましていて、それで何処となく呆けている工合は、十返舎一九の筆意を眼のあたりに見るようであった。
— 岡本綺堂 『明治劇談 ランプの下にて』 青空文庫
是が此の人の書に大變に影響を來して、日本へ來てから以後の書と云ふものは殆ど一變して、努めて眞蹟の筆意を取つて居る。
— 内藤湖南 『北派の書論』 青空文庫
併し其處には一種の見識を自分で持つて居つて、執筆の法は張得天の法を堅く守り、眞蹟の筆意を取るけれども、それを作意に依つて出さずして、率意に依つて之を出すことを務めて居る。
— 内藤湖南 『北派の書論』 青空文庫
日本には石刻以上の眞跡と云ふものが非常に澤山あつて、それ等は皆假令上手、下手に拘らず、當時の筆意をあり/\と傳へてあるものである。
— 内藤湖南 『北派の書論』 青空文庫
作例 · 標準
彼の書からは、力強くも優しい筆意が感じられた。
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書道家は、筆意を込めて一文字一文字丁寧に書き上げた。
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この絵は、作者の筆意が画面全体に満ちている。
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