枝頭
しとう
名詞
標準
文例 · 用例
四辺の林もしばしはこの青年に安き眠りを借さばやと、枝頭そよがず、寂として音なし。
— 国木田独歩 『わかれ』 青空文庫
後に俳諧から分岐した雑俳の枝頭には川柳が芽を吹いた。
— 寺田寅彦 『俳諧の本質的概論』 青空文庫
一枝頭上の妙色香、等閑に看る勿れ毘盧の身である。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
「一枝頭上の妙色香(花)、等閑(いい加減に)に看るなかれ毘盧(光輝く)の身」である。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫
ちょうど長火鉢のところから見える後庭の崖際にある桜の枝頭が朝見るごとに白みかかって来る時分で、落着きのない自分の書斎を出ると、気紛れな笹村の足はどこという的もなしにいろいろの方へ嚮いて行った。
— 徳田秋声 『黴』 青空文庫
それだのに枝頭を離れて地に落ちる木の葉の音は繁かった。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
軈て雜木林の枝頭が少し動いたと思つたらごうつといふ響が勘次の耳に鳴つた。
— 長塚節 『土』 青空文庫
終日尋春不見春 杖藜踏破幾重雲帰来拭把梅花看 春在枝頭已十分 その梅はもう盛りをすぎたけれど、あちらこちらにしろじろと立っている。
— 種田山頭火 『三八九雑記』 青空文庫