凹目
くぼめ
名詞
標準
sunken (deep-set) eyes
文例 · 用例
風にあたつても、雨にふられても、うちへうちへと、しつとりくぼめの抑へをひきしめて、一緒に泣いてでも呉れるやうな、なさけはちりめんの着物よりほか持つてゐません。
— 岡本かの子 『縮緬のこころ』 青空文庫
渚の砂は、崩しても、積る、くぼめば、たまる、音もせぬ。
— 泉鏡花 『春昼後刻』 青空文庫
その下には丈の高い石の頂を掘りくぼめた手水鉢がある。
— 森鴎外 『阿部一族』 青空文庫
人を人ともおもはぬ、殆憎げなる栗うり、やさしくいとほしげなるすみれうり、いづれも群ゐる人の間を分けて、座敷の真中、帳場の前あたりまで来し頃、そこに休みゐたる大学々生らしき男の連れたる、英吉利種の大狗、いままで腹這ひてゐたりしが、身を起して、背をくぼめ、四足を伸ばし、栗箱に鼻さし入れつ。
— 森鴎外 『うたかたの記』 青空文庫
彼等が勉強していた間、われわれは彼等の衣食の世話をし、重い荷物の下に背をまげ腹をくぼめて学校や図書館をつくってやった。
— AUX JEUNES GENS 『青年に訴う』 青空文庫
雪をくぼめ、ぬかをしきて火をたくに、きゆる事なしこれを雪ン堂又|城ともいふ。
— 鈴木牧之編撰 『北越雪譜』 青空文庫
なんにも知らぬ遊覧者たちは、カフェの前に腰かけたり、すっかりはとにうずまったまま、寺院の前にたたずんで、鳥たちが密集しながら、はばたきながら、押しのけ合いながら、くぼめたてのひらにのせてさし出されるとうもろこしのつぶをついばんでいる様子を、見物したりしていた。
— DER TOD IN VENEDIG 『ヴェニスに死す』 青空文庫
それで、八月二じゅうろくにちの宵に、御菩提寺の雄山わじょうをおまねきになりまして、小谷のおくの曲谷のいしきりに石塔をお切らせになり、徳勝寺殿天英宗清大居士とかいみょうをえりつけられ、その石とうのうしろをくぼめて御自筆の願書をおこめになりました。
— 谷崎潤一郎 『盲目物語』 青空文庫
作例 · 標準
連日の徹夜作業のせいで、彼はすっかり凹目になり、見るからに不健康そうな顔色だ。
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肖像画に描かれたその哲学者は、深い洞察力を感じさせる鋭く澄んだ凹目をしていた。
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「まあ、そんなに凹目になるまで無理をしちゃいけないよ」と母親が心配そうに言った。
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