甜
甜
名詞
標準
文例 · 用例
」 彼は誇らしさうに、中学生の私を甜め摺つて言つた。
— 中原中也 『その頃の生活』 青空文庫
自分らは汗をふきふき、婆さんが剥いてくれる甜瓜を喰い、茶屋の横を流れる幅一尺ばかりの小さな溝で顔を洗いなどして、そこを立ち出でた。
— 国木田独歩 『武蔵野』 青空文庫
ナニその、胡麻和のような汝が面を甜めろい!
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
(帽子を脱ぐ、ほとんど剃髪したるごとき一分刈の額を撫でて)や、西瓜と云えば、内に甜瓜でもありますまいか。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
中老の詩人社長は、欄干の籐椅子で、まだビールのコップを離さず、酔いに舌甜めずりをしていた。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
――実は私の魂のあり所だと思う、……加賀、金石街道の並木にあります叢祠の像なぞは、この女神が、真夏の月夜に、近いあたりの瓜畠――甜瓜のです――露の畠へ、十七ばかりの綺麗な娘で涼みに出なすった。
— 泉鏡花 『河伯令嬢』 青空文庫
が、その作品のうちで、瓜――甜瓜が讃美される。
— 泉鏡花 『河伯令嬢』 青空文庫
皆、甜瓜を二つに割って、印籠づくりの立上り霊妙に、その実と、蓋とが、すっと風を吸って、ぴたりと合って、むくりと一個、瓜が据る。
— 泉鏡花 『河伯令嬢』 青空文庫