誦読
誦読
名詞
標準
文例 · 用例
十三日、辛卯、鴨社の氏人菊大夫長明入道、雅経朝臣の挙に依りて、此間下向し、将軍家に謁し奉ること度々に及ぶと云々、而るに今日幕下将軍の御忌日に当り、彼の法花堂に参り、念誦読経の間、懐旧の涙頻りに相催し、一首の和歌を堂の柱に注す、草モ木モ靡シ秋ノ霜消テ空キ苔ヲ払フ山風同年。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
授業中で、学童の誦読の声に交って、おりおり教師の甲走った高い声が聞こえる。
— 田山花袋 『田舎教師』 青空文庫
法華経を読んで見ると、その経文を奉持し、誦読するものゝ功徳ばかりを説いてゐて、外形だけでは、ちよつと要領を得ないやうな気がするが、その奉持し、誦読するものゝ功徳の背景には、この信だの、誠実だの、純な心だの、真剣だの、一心だのといふものが一一深く背景を成してゐるのであつた。
— 田山録弥 『心理の縦断と横断』 青空文庫
その文章は実に千古の名文であって、これを翻訳するよりは、むしろその原文を誦読する方が、麗瑰流暢なる記述の真味を知ることが出来ようかと思う。
— 穂積陳重 『法窓夜話』 青空文庫
読経は『バイブル』中のある部分を誦読するものにして、これに前後両回あり。
— 井上円了 『欧米各国 政教日記』 青空文庫
満庭の樹影|青苔の上によこたはりて清夏の逸興|遽に来るを覚ゆる時、われ年々来青花のほとりに先考所蔵の唐本を曝して誦読日の傾くを忘る。
— 永井荷風 『来青花』 青空文庫