黒目勝ち
くろめがち
名詞
標準
文例 · 用例
額も頬もがつしりしてゐて、熱情家らしい黒目勝ちの大きい眼が絶えず慄へてゐるやうに見えた。
— 岡本かの子 『蝙蝠』 青空文庫
額も頬もがっしりしていて、熱情家らしい黒目勝ちの大きい眼が絶えず慄えているように見えた。
— 岡本かの子 『蝙蝠』 青空文庫
」という簡素な言葉と真から懐かしげにしげしげ見下している清らかな黒目勝ちな眼には、兄妹に対する明るい愛が現われているのをお光は知った。
— 地に潜むもの 『地上』 青空文庫
黒目勝ちな凉しい瞳、薔薇のように生々した頬、そしてつややかな髪が、ふさふさときゃしゃなえり元までたれていました。
— A DOG OF FLANDERS 『フランダースの犬』 青空文庫
大きくなるにつれて、黒目勝ちで、美しい頭髪の、肌の色のうす紅をした、おとなしいりこうな子となりました。
— 小川未明 『赤いろうそくと人魚』 青空文庫
黒目勝ちの小さな眼を瞠ってしばらく想い廻らしていたが、「媽、父はワンタンを売ったから、わたしも大きくなったらワンタンを売るよ。
— 魯迅 『明日』 青空文庫
お前は向うに行き著きもしないのにもう帰ることを考えているのか」「あの水生がね、自分の家へ遊びに来てくれと言っているんですよ」 宏兒は黒目勝ちの眼をみはってうっとりと外を眺めている。
— 魯迅 『故郷』 青空文庫
黒目勝ちの瞳であるがパツチリとそれが開いて居る為めに角膜の白いところが少しばかり水色に見えて、それが廻転する度毎に絹のやうな眼瞼の中に柔かく動いて、温かい曲率の附いた配合よく植ゑられた長い睫毛が瞬きをすると、そこに何とも云へぬ表情が出て来る。
— 死線を越えて 『死線を越えて』 青空文庫