葉風
はかぜ
名詞
標準
breeze rustling through leaves
文例 · 用例
」 と祖母も莞爾して、嫁の記念を取返す、二度目の外出はいそいそするのに、手を曳かれて、キチンと小口を揃えて置いた、あと三冊の兄弟を、父の膝許に残しながら、出しなに、台所を竊と覗くと、灯は棕櫚の葉風に自から消えたと覚しく……真の暗がりに、もう何んにも見えなかった。
— 泉鏡花 『国貞えがく』 青空文庫
これらの物音、たちまち起こり、たちまち止み、しだいに近づき、しだいに遠ざかり、頭上の木の葉風なきに落ちてかすかな音をし、それも止んだ時、自然の静蕭を感じ、永遠の呼吸身に迫るを覚ゆるであろう。
— 国木田独歩 『武蔵野』 青空文庫
いつしか夏も夕影の、葉風すゞしき庭面にかろく、浮きたるそのすがた。
— 北村透谷 『北村透谷詩集』 青空文庫
・夏草から人声のなつかしく通りすぎてしまう(松)・けさは何となく萱の穂のちるさへ・日ざかりちよろちよろとかげの散歩(松)・すずしさ竹の葉風の風鈴のよろしさ(雑)・風音の蚊をやく・風がでたどこかで踊る大鼓のひゞきくる 樹明君に・あなたがきてくれるころの風鈴しきり鳴る 七月廿三日 曇――晴。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
ジェニファーをやるユンツェルもイレーネやババもその他みなそれぞれ活きていて、ババをやっているゲラルディーネは、真白に洗濯されたエプロンが青葉風にひるがえっているような心持で面白かった。
— 宮本百合子 『雨の昼』 青空文庫
併し、概して万葉風な気分を持たすとか、古今或は新古今式な情調を起させる歌風と謂ふものはある筈である。
— 折口信夫 『橘曙覧評伝』 青空文庫
黒い岩山の上をまっ白な鴎がとび、海岸には椰子の葉風がそよそよと吹いている。
— 平田晋策 『昭和遊撃隊』 青空文庫
其程感に堪えた万葉風の過ぎ去るのは、返す返すも惜しまれる。
— 折口信夫 『歌の円寂する時』 青空文庫
作例 · 標準
涼やかな葉風が通り抜けるたびに、縁側に吊るした南部鉄器の風鈴がチリンと鳴った。
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竹林を渡る葉風の音に耳を澄ませていると、都会の喧騒を忘れて心が洗われるような心地がする。
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秋の気配を含んだ冷たい葉風が、公園の木々を少しずつ赤や黄色に染め始めていた。
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