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表の戸

おもてのと
名詞
1
標準
street (front) door
文例 · 用例
「半次行こう」と今しも大吉、 表の戸開けた時「御用」と一人の役人うって来る。
山中貞雄 中村仲蔵 青空文庫
このごろは雨つづきで草履屋の商売も休みも同様であるばかりか、亭主の藤吉は宵から出ているので、女房のお徳は店を早く閉めて、奥の長火鉢の前で浴衣の縫い直しをしている時、表の戸をそっと叩く音がきこえたので、お徳は針の手をやめて顔をあげた。
むらさき鯉 半七捕物帳 青空文庫
内の人は唯今留守ですと答えると、それではおかみさんに逢わせてくれというので、お徳はともかくも表の戸をあけると、ひとりの痩形の女が夜目にも白い顔をそむけて、物思わしげに悄然とたたずんでいるのが薄暗い行灯の火にぼんやりと照らし出された。
むらさき鯉 半七捕物帳 青空文庫
相手は弱々しい女ひとり、別に恐れるほどのこともあるまいと多寡をくくって、そのまま店へあがらせると、女はうしろを見かえりながらそっと表の戸を閉め切ってはいった。
むらさき鯉 半七捕物帳 青空文庫
そうして、かれが再び引っ返して来るのを恐れるように、お徳は表の戸に栓をおろした。
むらさき鯉 半七捕物帳 青空文庫
かぜでも引いたのかと、肩をすくめて身ぶるいする時、表の戸を軽くたたく音がきこえた。
むらさき鯉 半七捕物帳 青空文庫
お徳は急いで表の戸をあけると、竹の子笠をかぶった藤吉がずぶ濡れになってはいって来た。
むらさき鯉 半七捕物帳 青空文庫
越前屋は小半町しか距れていないので、すぐに行き着くと、紙屋の店は表の戸をおろしてひっそりしている。
むらさき鯉 半七捕物帳 青空文庫