憎き
にっくき
連体詞
標準
accursed
文例 · 用例
嬉しきは月の夜の客人、つねは疎々しくなどある人の心安げに訪ひ寄たる、男にても嬉しきを、まして女の友にさる人あらば如何ばかり嬉しからん、みづから出るに難からば文にてもおこせかし、歌よみがましきは憎きものなれどかゝる夜の一言には身にしみて思ふ友とも成ぬべし。
— 樋口一葉 『月の夜』 青空文庫
城兵這奴憎きものの振舞かなとて、競懸りて半ばより、梯子を折く。
— 泉鏡太郎 『唐模樣』 青空文庫
そのいたく落ち着きたる、これを頼もしと謂わば謂え、伯爵夫人の爾き容体を見たる予が眼よりはむしろ心憎きばかりなりしなり。
— 泉鏡花 『外科室』 青空文庫
頼家 たとひ如何やうに陳ずるとも、憎き北條の使なんどに對面無用ぢや。
— 岡本綺堂 『修禪寺物語』 青空文庫
秀吉怒って、何とて新六郎を殺せしや、左馬介は父子を訴えし憎き奴なれば殺せと云ったのだと怒ると、如水曰く「新六は父と共に譜第の主人に背きしものなれば武道に背き、忠孝ともになきものなり。
— 菊池寛 『小田原陣』 青空文庫
片明かりの行燈は男と女の影を障子に映して、枕の草子の作者でなくても、憎きものに数えたいような影法師が黒くゆらいでいた。
— 旅絵師 『半七捕物帳』 青空文庫
心憎きまでに美わしき筆なる哉!
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
独り宮のみは騒げる体も無くて、その清き眼色はさしもの金剛石と光を争はんやうに、用意深く、心様も幽く振舞へるを、崇拝者は益々|懽びて、我等の慕ひ参らする効はあるよ、偏にこの君を奉じて孤忠を全うし、美と富との勝負を唯一戦に決して、紳士の憎き面の皮を引剥かん、と手薬煉引いて待ちかけたり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
作例 · 標準
憎き敵を討ち、ついに勝利を収めた。
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憎きライバルとの最終決戦が今始まる。
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彼は憎き相手を前にしても、冷静さを失わなかった。
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