陋巷
ろうこう
名詞
標準
narrow, dirty backstreet
文例 · 用例
芸術よりも、その日暮しは千倍も豊富である人、多情多恨夢は荒野を駆け廻りながら、実はといへば陋巷の一室に暗然影を抱いて寝ぬる人、――所詮ヂェラルドは陶酔の一形式として存する。
— 中原中也 『ヂェラルド・ド・ネルヴァル』 青空文庫
陋巷の、つつましく、なつかしい愛情があるのだ。
— 太宰治 『八十八夜』 青空文庫
最初にハンブルグの一|陋巷の屋根が現われ鵞鳥の鳴き声が聞こえ、やがて、それらの鵞鳥を荷車へ積み込む光景が現われる。
— 寺田寅彦 『映画雑感(1)』 青空文庫
このあとの映画で、不幸なるラート教授が陋巷の闇を縫うてとぼとぼ歩く場面でどことなく聞こえて来る汽笛だかなんだかわからぬ妙な音もやはりそういう意味で使われたものであろう。
— 寺田寅彦 『映画芸術』 青空文庫
わかさ、かくて、日に虫食われゆき、仕合せも、陋巷の内に、見つけし、となむ。
— 太宰治 『I can speak』 青空文庫
「私にも、陋巷の聖母があった。
— 太宰治 『俗天使』 青空文庫
賢にして有り 陋巷の楽、聖にして有り 西山の饑。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
大なる志望を懷いても、三十四十五十と、追々年を取るに隨つて遂には陋巷に朽ち果てて終るのが常であるから、人は假初にも高い志望を懷かねばならぬ。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
作例 · 標準
彼は陋巷に生まれ育ちながらも、努力を重ねて一代で財を成した。
幻辭AI · gemini-2.5-pro
日が暮れると、陋巷の酒場からは陽気な歌声と笑い声が漏れてくる。
幻辭AI · gemini-2.5-pro
その小説は、大都市のきらびやかな表通りではなく、陋巷で生きる人々の姿をリアルに描いている。
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