金利生活者
きんりせいかつしゃ
名詞
標準
rentier
文例 · 用例
ある日その情景を眺めていると、ふと、「金利生活者」という言葉が頭に泛んだ。
— 原民喜 『昔の店』 青空文庫
このことはブハーリンが彼の『金利生活者の経済学』の中で経済学に関して模範的に分析し、闡明したところである。
— 三木清 『科学批判の課題』 青空文庫
これらの階級層を大体、金利生活者、所謂勤人、手工業者乃至小売商人、筋肉労働者の四つに分けることができると思ふが、それらは、生活程度の差、生活様式の独自さ、職業的偏見、若干の利害対立、教養の相違、等々によつて自然、交渉の疎隔を来すのみならず、時には必要な協同行為をすら避ける傾向を生じてゐるのである。
— 岸田國士 『都市文化の危機』 青空文庫
町内の政治は必然的に移住者たる勤人階級の参加を拒み、局地的な施設は主として金利生活者の選択に委ねられ、祝祭の行事は最も文化的教養の低い階級によつて多くはリードされつゝあるのである。
— 岸田國士 『都市文化の危機』 青空文庫
しかし、戦争以来、手許不如意は、金利生活者の一般の例にもれず、彼女も、しばらくは持物の売食ひで凌いではゐたものの、近頃はいよいよそれも先が見え、なにかとあせりだしてゐる始末である。
— 岸田國士 『ある夫婦の歴史』 青空文庫
六右衛門さんは満州事変がはじまったとき、ちゃんと太平洋戦を見ぬいていて、戦争が勝っても負けても、金利生活者は根こそぎ絶やされてしまうだろうといっていた。
— 久生十蘭 『だいこん』 青空文庫
日華事変の直後、〈昭和十六年作戦〉の大計画にもとづいて陸軍が厖大な戦争資材の買付と蓄積をはじめたとき、とうぜん日米戦争にまで発展することを見抜き、戦争が勝っても負けても、自分らのような金利生活者はみな根だやしになると、何年も前からちゃんと覚悟していた。
— 久生十蘭 『だいこん』 青空文庫
富豪のように、重役のように、金利生活者のように、スタアのように、贅沢に暮らせると言う意味ではない。
— 三好十郎 『俳優への手紙』 青空文庫