抜き取り
ぬきとり
名詞
標準
文例 · 用例
」そう言って御自分の財布から、すらりすらりと紙幣を抜き取り、そっと私に手渡した。
— 太宰治 『帰去来』 青空文庫
何の道死ぬるものなら一|足でも前へ進んで、世間の者が夢にも知らぬ血と泥の大沼の片端でも見て置かうと、然う覚悟が極つては気味の悪いも何もあつたものぢやない、体中珠数生になつたのを手当次第に掻い除け毟り棄て、抜き取りなどして、手を挙げ足を踏んで、宛で躍り狂ふ形で歩行出した。
— 泉鏡太郎 『高野聖』 青空文庫
今の番頭から掏り取った紙入れを取り出し、中味を抜き取り、空の紙入れをポンと投げる。
— 山中貞雄 『恋と十手と巾着切』 青空文庫
針さしから手頃の針を抜き取り、針先を頭の髪の毛へ突き込んで油をにじませた。
— 岡本かの子 『過去世』 青空文庫
さあ、どうぞ、これからおいでなされませ」 利休は、腰から扇子を抜き取り、要の方を先にして右手に持ちかえました。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
どの道死ぬるものなら一足でも前へ進んで、世間の者が夢にも知らぬ血と泥の大沼の片端でも見ておこうと、そう覚悟がきまっては気味の悪いも何もあったものじゃない、体中|珠数生になったのを手当次第に掻い除け※り棄て、抜き取りなどして、手を挙げ足を踏んで、まるで躍り狂う形で歩行き出した。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
予備校の帰り、小遣いの範囲で収まるジャンクを買ってきて利用できる部品を抜き取り、松本は電卓の基本的な動作を実行する回路を作ってみた。
— 富田倫生 『パソコン創世記』 青空文庫
この指輪なぞ……」と王は指からヘビの形をした翠玉の指輪を抜き取り、自らの手のひらに載せた。
— A SCANDAL IN BOHEMIA 『ボヘミアの醜聞』 青空文庫