小体
こてい
形容動詞
標準
文例 · 用例
それでもね、妹が美しいから負けないようにって、――どういう了簡ですかね、兄さんが容色望みで娶ったっていうんですから…… 小児は二人あるし、家は大勢だし、小体に暮していて、別に女中っても居ないんですもの、お守りから何から、皆、お稲ちゃんがしたんだわ。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
小体な暮しで共稼ぎ、使歩行やら草取やらに雇われて参るのが、稼の帰と見えまして、手甲脚絆で、貴方、鎌を提げましたなり、ちょこちょこと寄りまして、(お婆さん今日は不思議なことがありました。
— 泉鏡花 『政談十二社』 青空文庫
二度目が日本橋の人形町で、柳屋といってね、……」十二「もうその時分は、大旦那がお亡くなんなすったあとで、御新姐さんと今のお嬢さんとお二人、小体に絵草紙屋をしておいでなすった。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
」 つまり好いパトロンがついていない限り、商売は小体に基礎工事から始めるよりほかなかった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
家は松の家と裏の路次づたいに往来のできる、今まで置き家であった小体な二階屋であった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
彼はもとからの八百屋ではないらしく、土地の中学を出てから、東京で苦学し、病気になって故郷へ帰り、母と二人の小体な暮しであったが、帳場の後ろの本箱に、文学書類をどっさり持っていた。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
錦糸堀でも、裏に小体な家を一軒、その当座時々|躰を休めに来る銀子の芸者姿が、近所に目立たないようにと都合してあるのだったが、今はそれも妹たちが占領していた。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
そして小体なある旅館の前に立ち止まると、「ここに玉突き場があったものだ。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫