紫草
むらさきぐさ
名詞
標準
文例 · 用例
同君の土産話によれば、わが國固有の染料たりし紫草の根も、外國より輸入する化學染料の流行に壓せられて、今は顧るものもなき状態にあるといふ。
— 島崎藤村 『桃の雫』 青空文庫
金子紫草、右の山麓の人家を指して曰く、『これ日本一の富豪岩崎家の豚を飼ふ處也』。
— 大町桂月 『町田村の香雪園』 青空文庫
妙高の山の紫草にしみ黄昏方となりにけるかな 作者は何万といふ歌を作つたがその三分の二は所謂旅の歌である。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
若草・紫草・菅其他に、恋愛の聯想のつき纏うてゐるのも、此側に一つの大きな原因があるのだ。
— その外輪に沿うて 『古代民謡の研究』 青空文庫
『饒舌』は寸鉄かへつて人を殺すに足るとて三十二頁の小冊子とし、黒田湖山主筆となりて毎号巻頭に時事評論を執筆し生田葵山とわれとは小説を掲げ西村渚山は泰西名著の翻訳を金子紫草は海外文芸消息を井上唖々は俳句と随筆とを出しぬ。
— 永井荷風 『書かでもの記』 青空文庫
午後湖山紫草の二子来り訪はる。
— 断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 『断腸亭日乗』 青空文庫
木曜会への行掛け風月堂にて金子紫草に逢ふ。
— 断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 『断腸亭日乗』 青空文庫
カキツバタの図ムラサキ『万葉集』に「託馬野に生ふる紫草衣に染め、いまだ着ずして色に出でけり」という歌があって、この時分|染料として、ふつうに紫草を使っていたことを示している。
— 牧野富太郎 『植物知識』 青空文庫