分秒
ふんびょう
名詞
標準
moment
文例 · 用例
まことに分秒電火の働き、一散に下階へ駈下りて、先刻忍びし勝手口より、衝と門内に遁れ出づれば、米利堅産種の巨犬一頭、泰助の姿を見て、凄まじく吠え出せり。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
私は男がこの座敷へ近寄って来る僅か分秒の間に、男の方はちらりと一目見ただけで、娘の態度に眼が離せなかった。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
」 時間や分秒のほかに、日付や七曜が出て来るその時計を、覗こうとすると、「見にくいでしょう」 貴子はにじり寄って、ぐっと体を近づけて来た。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
放課後寄宿舎に帰ると、室から室に油を売つて歩いてゐた以前とは打つて変り、小倉服を脱ぐ分秒を惜んで卓子に噛りついた。
— 嘉村礒多 『途上』 青空文庫
咲き揃つた万朶の花と、それから、散つてしまつた花とは、一は繁栄の極で、一は凋落の極だが、其咲いてそして散る時の美、考へて見ると、分秒の間髪を入れない処に有る刹那だね。
— 尾崎放哉 『俺の記』 青空文庫
それは全く分秒の間に非常に手早くなされたのであるが、さうしたお信さんの所為には、到底私の拒否や抵抗を許さない、何か迫るやうな真剣なものがあつた。
— 加能作次郎 『乳の匂ひ』 青空文庫
「ああ、せめて這いでもできれば、俺は往くんだのに……」 万斛の恨みが、いま分秒ごとに消えてゆく雪橋のうえに注がれている。
— 天母峰 『人外魔境』 青空文庫
而して急に青空になったり、分秒を以てする天空の変化は、眼にもとまらぬ早わざである。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫
作例 · 標準
救命救急の現場では、まさに分秒の遅れが患者の生死を分ける過酷な状況が続いている。
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ロケットの打ち上げは分秒の狂いも許されないため、技術者たちは息を呑んでモニターを見つめていた。
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分秒を惜しんで受験勉強に打ち込んできた彼女のもとに、ついに合格通知が届いた。
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