睫
まつげ
名詞
標準
文例 · 用例
」 そして私の顏を見詰め、絶對無上の尊敬と愛慕をこめて、その長い睫毛をしばだたいた。
— 萩原朔太郎 『宿命』 青空文庫
」 そして私の顔を見詰め、絶対無上の尊敬と愛慕をこめて、その長い睫毛をしばだたいた。
— 萩原朔太郎 『散文詩集『田舎の時計 他十二篇』』 青空文庫
この温泉の空気を代表する浴客は、主として都会の中産階級の人であるが、とりわけさうした人たちの若い夫人や娘たち――と言つても、大磯や鎌倉で見るやうな近代的な、中凹みで睫毛の長い表情をした娘たちではない。
— 萩原朔太郎 『石段上りの街』 青空文庫
魂は丁度|睫毛のところまで出ていたのだ。
— 葉山嘉樹 『労働者の居ない船』 青空文庫
そして身動き一つ、睫毛一本動かさないで眠りを装った。
— 葉山嘉樹 『死屍を食う男』 青空文庫
」「はい、」と伏目になったトタンに、優しげな睫毛が、(どうかなさいよ。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
頬桁へ両手をぴったり、慌てて目金の柄を、鼻筋へ揉込むと、睫毛を圧え込んで、驚いて、指の尖を潜らして、瞼を擦って、「は、は、は、」と無意味な笑方をしたが、向直って真面目な顔で、「どうですな。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
貴下は柳橋主義の癖に、」 夫人は薄笑いの目をぱっちりと、睫毛を裂いたように黒目勝なので睨むようにした。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫