来宇
らいさかい
名詞
標準
文例 · 用例
因て私もそれ以来宇佐美へは自然と足が遠くなった。
— 内藤鳴雪 『鳴雪自叙伝』 青空文庫
入院以来宇津はもう幾度もこれと同じやうな言葉で慰められたり、力づけられたりして来たので、この言葉にもさほどの喜びを感じないのみか、老人の口から出る語気の鋭さに、一体この老人の過去は如何なるものであつたのだらうかと、それが気になつて彼は、全神経を澄み亙らせて対象を掴まうとしてゐた。
— 北條民雄 『間木老人』 青空文庫
この時以来宇野さんは謡曲のファンになり、頻りに観能にでかけ、僕が文学として読んではいても舞台として殆んど見たことがないので冷やかされる始末になったが、女の人は誰しも老醜を怖れること男の比にはならないのであろうけれども、宇野さんが物語をきいたときの驚きの深さは僕の頭を離れぬことのひとつである。
— 坂口安吾 『青春論』 青空文庫