縁先
えんさき
名詞
標準
veranda edge
文例 · 用例
或日父は近頃にない早く、外来患者も病室の方も済まして、表の間の卓に頬肘を突いた儘、縁先の河鹿の鉢をヂツと瞶めてゐた。
— 中原中也 『その頃の生活』 青空文庫
此時三つ斗りなる兒の、小く太りたるが、大きなる大人の下駄を引きずりて、縁先近く參りたる、覺束なき足もとなり。
— 萩原朔太郎 『花あやめ』 青空文庫
」とお婆さんは本氣に怒つてしまつた樣子で、どさんと縁先に腰をおろし、「あなたはいつたいこの私を、何だと思つていらつしやるのです。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
僕が前の縁先に立つと奥に居たお祖母さんが、目敏く見つけて出てくる。
— 伊藤左千夫 『野菊の墓』 青空文庫
これで筆を擱こうと思ってふと縁先の硝子障子から外を見ると、少しもう色付きかかった紅葉の枝に雀が一羽止ってしきりに羽根を繕っている。
— 寺田寅彦 『帝展を見ざるの記』 青空文庫
私はこの手記を庭に向いた靜かな自分の部屋の縁先で、或は私の書齋の搖り椅子に凭りながら、一人讀み續けて行くお前の姿を想像する。
— 南部修太郎 『疑惑』 青空文庫
南向きの縁先一間半ばかりの細長い庭には棚を造り、翁の楽しみの鉢物が並べてある。
— 国木田独歩 『二老人』 青空文庫
ある夕、雨降り風|起ちて磯打つ波音もやや荒きに、独りを好みて言葉すくなき教師もさすがにもの淋しく、二階なる一室を下りて主人夫婦が足投げだして涼みいし縁先に来たりぬ。
— 国木田独歩 『源おじ』 青空文庫
作例 · 標準
夕涼みのため、縁先に座って冷たい麦茶を飲んだ。
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猫が縁先で気持ちよさそうにひなたぼっこをしている。
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雨上がりの縁先には、小さな水たまりができていた。
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