焼き払い
やきはらい
名詞
標準
文例 · 用例
あいつのために、おれは牢へいれられたと、うらみ骨髄に徹して、牢から出たとき、草の根をわけても、と私を捜しまわり、そうして私の陋屋を、焼き払い、私たち一家のみなごろしを企てるかもわからない。
— 太宰治 『春の盗賊』 青空文庫
わたしは見込み違いをしていた」と言って、その僧を追い出し、住まわしていた庵室まで穢らわしいと言って焼き払いました。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
「公使館を焼き払い、外人を害めて、国難を招くがごとき浪藉を働くとは何ごとかっ。
— 佐々木味津三 『老中の眼鏡』 青空文庫
秀孝の兄の信行は之を聞いて末森から馳せて守山に来り城下を焼き払い、信長また清須から馬を馳せつける騒ぎであった。
— 菊池寛 『桶狭間合戦』 青空文庫
さて従前に比して社費は二、三倍に嵩むゆえに、樵夫、炭焼き輩払うことならず、払わずば社殿を焼き払い神木を伐るべしと逼られ、常に愁訴断えず。
— 南方熊楠 『神社合祀に関する意見』 青空文庫
両餅屋焼き払いのこともすでに決定せられた。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
その「万一」がもし事実となるとすると、下原村は焼き払われるだろう、宿内の友の町、久保、武居も危ない、事急な時は高木大和町までも焼き払い、浪士らの足だまりをなくして防ぐべき諏訪藩での御相談だなぞと、だれが言い出したともないような風評がひろがった。
— 第一部下 『夜明け前』 青空文庫
ご主君から渡された竹筒仕込みの地雷で、わたしが焼き払いさえしなかったなら、完成したに相違ございません。
— 国枝史郎 『怪しの者』 青空文庫