身じろぎ
みじろぎ
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
stirring
文例 · 用例
私たち、言い知れぬ恐怖に、強く強く抱き合ったまま、身じろぎもせず、そのお庭の葉桜の奥から聞えて来る不思議なマアチに耳をすまして居りました。
— 太宰治 『葉桜と魔笛』 青空文庫
昔、その傍らにいつも坐つて、一人の婦人が、俯向いたまま、身じろぎもせず、物靜かな様子で、縫ひ物をしつづけてゐた窓。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『窓』 青空文庫
で、大噐氏は全く不知案内の暗中の孤立者になったから、黙然として石の地蔵のように身じろぎもしないで、雨に打たれながらポカンと立っていて、次の脈搏、次の脈搏を数えるが如き心持になりつつ、次の脈が搏つ時に展開し来る事情をば全くアテもなく待つのであった。
— 幸田露伴 『観画談』 青空文庫
銀のような髪が五分ばかり生えて、細長い輪郭の正しい顔の七十位の痩せ枯びた人ではあったが、突然の闖入に対して身じろぎもせず、少しも驚く様子もなく落つき払った態度で、あたかも今まで起きてでもいた者のようであった。
— 幸田露伴 『観画談』 青空文庫
身じろぎさえしない。
— 岡本かの子 『窓』 青空文庫
羽織なしの引かけ帯、ゆるやかな袷の着こなしが、いまの身じろぎで、片前下りに友染の紅匂いこぼれて、水色縮緬の扱帯の端、ややずり下った風情さえ、杖には似合わないだけ、あたかも人質に取られた形――可哀や、お主の身がわりに、恋の重荷でへし折れよう。
— 泉鏡花 『春昼後刻』 青空文庫
…… いま立ちしなの身じろぎに、少し引かれて、ずるずると出たが、女が留まるとともに、床へは落ちもせず、がしゃりと据った。
— 泉鏡花 『革鞄の怪』 青空文庫
三人が座席へ帰って来たのは、もう二時ごろで、銀子もうつらうつら気がついたが、ちょっと身じろぎをしただけでまた眠った。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
作例 · 標準
彼は一睡もしていないのか、一晩中身じろぎもせず座っていた。
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背後に気配を感じたが、恐怖で身じろぎ一つできなかった。
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獲物を狙う猫は、身じろぎを殺してチャンスを待っている。
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