凝立
ぎょうりつ
名詞動詞-サ変
標準
standing absolutely still
文例 · 用例
(物思いに沈みて凝立すること暫くにして、忽然夢の覚めたるが如き気色をなし、四辺を見廻す。
— ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 『家常茶飯』 青空文庫
しかしその人達はそれらしく動きまわる気配もなく依然として寝台のぐるりに凝立していた。
— 梶井基次郎 『ある崖上の感情』 青空文庫
何事でも起り得る、又何事も起り得ない夜、意志のやうな又運命のやうな夜、その夜が永久に自分を取りまくのだなと思ふと彼れはすくみ上つて船首樓に凝立したまゝ、時の經つのも忘れてゐた。
— 有島武郎 『潮霧』 青空文庫
しかしてみよ、この黒衣の曲者も、白夜柳の木の下に凝立する所以である。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫
ヂドは色を喪ひて凝立すること少らくなりき。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
われは喪心者の如く凝立して、拘攣せる五指の間に牢く拳銃を攫みたり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
我は頭を低れて口に一語を出さず、罪囚の刑の宣告を受くるやうなる心地にて、人々の前に凝立せり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
妙念は立てるがままに息たえし死相のごとく、生色をひそめて凝立したりしが、ややありて引き抜かるるがごとく唐突に上手坂路の一角に走り、不安なる期待の間上りくる怪体を窺視せるや、たちまちにして疑惧を明らかにしたる表情にて。
— 郡虎彦 『道成寺(一幕劇)』 青空文庫