様風
ようふう
名詞
標準
文例 · 用例
朝鮮紙の薄様風な非常に艶な感じのする紙の綴じられた帳を源氏は見て、「風流好きな青年たちにこれを書かせてみよう」 と言った。
— 梅が枝 『源氏物語』 青空文庫
その紙入には模様風に描いた菊の花が金で一面に織り出されていた。
— 夏目漱石 『行人』 青空文庫
仲間に冷やかされながら例の面会室に来てみると、疑いもない愛子がチャント丸髷に結った野暮ったい奥様風で、椅子に腰をかけている。
— 夢野久作 『近眼芸妓と迷宮事件』 青空文庫
ただ、なんとかいう氏族の末流にあたる由緒ある家庭の長男に生れたと信じている私の父が、事実、その頃はまだかなり裕福に暮していた祖父のもとでわがままな若様風に育てられたところから、こうした貧窮の間にもなお、私をその昔のままの気位で育てたのに違いなかったのである。
— 金子ふみ子 『父』 青空文庫
ただ、何とかいう氏族の末流に当る由緒ある家庭の長男に生れたと信じている私の父が、事実、その頃はまだかなり裕福に暮していた祖父のもとで我儘な若様風に育てられたところから、こうした貧窮の間にもなお、私をその昔のままの気位で育てたのに違いなかったのである。
— ――獄中手記―― 『何が私をこうさせたか』 青空文庫
九里丸はきらびやかな殿様風で万事が華やかだった。
— 小出楢重 『めでたき風景』 青空文庫
此様風な渚も長く見て居る中にはもう珍らしく無くなつて東海道の興津|辺を通る様な心持になつて居た。
— 與謝野寛、與謝野晶子 『巴里より』 青空文庫
そこに立っているのは、姿こそ今は丸髷の奥様風になっているが、もと自分を仕立ててくれたともかくも恩人でありましたから、「まあ、お師匠さん」 頓には二の句がつげませんでした。
— 市中騒動の巻 『大菩薩峠』 青空文庫